持っている株が値上がりしているんだけど売った方がいいのかしら
持株が買った時より10%下がっちゃった!もう売ってしまいたい
保有株で不祥事が起きたみたいだけど売った方がいいのかな
株を売りたくなる場面はたくさんあるよね
さまざまな理由で持ち株を売るべきか悩む人は多いと思います。
高配当株投資は基本的に永久保有して配当金を受け取り続ける投資スタイルです。
そのため保有株の売却は想定外の出来事が起きた時に限ります。
私は高配当株の売却を検討する出来事として以下のケースを想定しています。
- 持株が大きく値上がりして割高になりかつ配当利回りが2%を切った
- 保有株の属している業界あるいはビジネスが構造的不況に陥った
- 保有している株が社会や株主を裏切る重大な不正を犯した
この記事では高配当株の売り時について、筆者が考えているタイミングについて解説します。
当記事で述べている内容は、外部から入手した情報以外はあくまで私の見解に基づくものであり、独断と偏見が多分に含まれています。
あらかじめご了承のうえで閲覧していただきますようお願いします。
また、投資はくれぐれも自己判断でお願いします。
記事の目次
株の売り時とは

株の売り時とは文字どおり保有している株を売るのに適した状況のことです。
株の売り時については諸説あり、人によっていうこともまちまちであり正解はありません。
ですが、あえて王道といわれる売り時を上げると下記の2パターンです。
- 買値または直近高値から◯%下落したら売り
- ◯日移動平均線を割ったら売り
この2パターンが最も一般的かつ単純で分かりやすい売り時のルールです。
しかし、高配当株投資において上記の2パターンは全く相容れないものです。
どちらのパターンも比較的短期間で手放すことになるので、長期間保有して値上がりと安定した配当金の受け取りを目指す高配当株投資には明らかに不向きです。
卵を目的にして育てているニワトリを途中で唐揚げにして食べるようなものです。
唐揚げも美味しいでしょ
唐揚げは唐揚げで美味しいけど目的が変わってしまっているのが問題なんだよ
また、上記2パターンだと頻繁に株価チェックをする必要が出てくるので心穏やかに継続できる高配当株投資のメリットを捨てることになります。
配当金を目的にした高配当株投資は永久保有が前提です。
しかし、時には売却を検討する必要も出てくると考えます。
それが冒頭で解説した3パターンです。
以下の記事ではこれらの売り時3パターンについて解説していきます。
割高になり配当利回りが低くなった場合

株価が大きく値上がりして明らかに割高になり、それによって配当利回りが低くなってしまった場合は売却を検討します。
売却した資金でその他の割安な高配当株に買い換えることができます。
しかし、このケースは必ずしも売るべきとは思いません。
それだけ値上がりした株は成長性が高い株であることが多く、これからもさらなる値上がりと増配の期待が持てそうな株だからです。
こちらのグラフをご覧ください。

こちらの株は2010〜2014頃までは配当利回り3〜4%の高配当株でしたが、2015年頃からぐんぐん株価が上昇し、増配しているにもかかわらず配当利回りが低下し続けました。
2020年頃からは1%を切る場面もありました。
このように短期間で大きく上昇し、配当利回りが著しく低下している場合には売却を検討してもいいと考えます。
明らかに割高と言える株価の目安としては、直近5年(進行期予想含む)における最高益年のEPS(一株純利益)✖️ROE(自己資本利益率)✖️3以上としています。
直近5年(進行期予想含む)における最高益年の
EPS(一株純利益)✖️ROE(自己資本利益率)✖️3以上
上記表のワークマンを例にして売り時とする株価を計算してみます。
ワークマンの進行期を含む直近の最高益は2022年3月期でEPSは224円、ROEは17.67%です。
これを計算式に当てはめると
224(EPS)✖️17.67(ROE)✖️3=11,874
となり、11,874円を超えたら明らかに割高と判断します。
現在の株価 6,210円 (2022年7月22日終値)
さすがにこの値になるまで値上がりすれば明らかに割高といえるでしょう。
ちなみにワークマンの上場来高値は2019年12月17日の10,570円です。当時の売却水準は約6,000円と計算できるので売り時に達していたことになります。
(当時の売却水準)
予想EPS 133円 ✖️ ROE 15 ✖️ 3 = 6,004円
ワークマンは2019年からもすごく成長したんだね
配当利回りについては2%割れを目安にしていますが、ワークマンは2%割れの状態からさらに何倍にも株価が高くなっています。
株の売り時って本当に難しいわ
売った株がその後何倍にもなるのは見てて辛いので売ったら忘れるのが一番だよ
ビジネスが構造的不況に陥ってしまった場合

持株が属している業界やビジネスが構造的不況に陥ってしまった場合にも売却を検討します。
構造的不況とは、不況の原因が景気循環によるものではなく、原料やエネルギー価格の大幅な変化、代替品の登場や技術変化、開発途上国の追い上げなどによる経済構造の変化に伴なって生じる不況のことです。
構造的不況に陥ると、待っているだけで業績が改善することはなくジリ貧になっていずれ市場から淘汰される厳しい状況におかれます。
例えば、国産の石炭、音響機器、デジカメ、ガラケーといった製品を製造販売している株は構造的不況に陥っているといえるでしょう。
保有している株のビジネスが構造的不況に陥っている場合は、早めに売却しておいた方が良いでしょう。
こちらのグラフをご覧ください。

この会社は廉価液晶テレビの製造で利益を上げていましたが、中国・台湾メーカーの進出によってシェアを奪われ構造的不況に陥ってしまいました。
グラフを見る限りでは2012年あたりから構造的不況に陥り、右肩下がりに業績が落ちてしまっていることがわかります。
保有している株が何のビジネスで稼いでいるのかは最低でも把握しておく必要がありますね
社会や株主を裏切る重大な不正を犯した場合

株主や社会を裏切る不正を犯した株も売却します。
不正は会社の体質が良くないために起こります。
会社の体質はそう簡単には改善されないため、一度不祥事を起こした会社は再び重大な不祥事を起こすと考えています。
社会や株主に対する裏切りとは、具体例を挙げると食品会社の食品表示偽装や、自動車会社のリコール隠し、保険会社による不適切契約といった事案です。
なんだか聞いたことある事件ばかりね
粉飾決算も重大な株主に対する裏切りです。
持株にこのような会社があれば残念ですが即売却します。
一従業員による不正のような比較的軽微な場合は保有し続けます
まとめ

高配当株の保有期間は永遠が理想ですがあえて売る時として3パターンを紹介しました。
- 持株が大きく値上がりして割高になりかつ配当利回りが2%を切った
- 保有株の属している業界あるいはビジネスが構造的不況に陥った
- 保有している株が社会や株主を裏切る重大な不正を犯した
持株が大きく値上がりして割高になりかつ配当利回りが2%を切った
持株が大きく値上がりして明らかに割高かつ配当利回りが低くなった場合は売却を検討します。
直近5年(進行期予想含む)における最高益年の
EPS(一株純利益)✖️ROE(自己資本利益率)✖️3以上
上記の2点を両方満たした場合に売却を考えます。
ちなみに私の保有株で過去にこの基準まで達したことは一度もありません。
保有株の属している業界あるいはビジネスが構造的不況に陥った
保有している株が構造的不況に陥った場合は売却を検討します。
持株が構造的不況に陥っていることを把握するにはどんなビジネスで利益を稼いでいるのかは把握しておく必要があります。
四季報の会社説明を見れば最低限どんなことをしている会社なのかは分かるので買う前に調べておきます。
保有している株が社会や株主を裏切る重大な不正を犯した
保有している株が社会や株主を裏切る重大な不正を犯した場合は売却します。
不正は会社の体質が良くないために起こります。
会社の体質はそう簡単には改善されないため再び起こると思っています。
株主や社会に対する裏切りとは、具体例を挙げると食品会社の賞味期限改ざんや、自動車会社のリコール隠し、保険会社による不適切契約といった事案です。
粉飾決算も重大な株主に対する裏切りです。
持株にこのような会社があれば残念ですが即売却します。
理想はやっぱり永久保有
売却するなら値上がりして売却するパターンが最も理想的ですが、売ってから大きく上昇するケースはよくあることなのでどう考えても割高な水準まで握りしめる握力が必要になってきます。
高配当株投資は心穏やかに続けられることが大きなメリットです。
株価の推移を気にしていては高配当株投資のメリットを手放すことになりかねません。
いつもは放置していて気がついたらずいぶん高値になっていたという時に少し売却を検討するのが良いと考えます。
構造的不況や不正による売却はできれば避けたいところですが、避けようがない場合もあるので、もしそうなってしまった場合にはスッパリと諦めて他の保有株に資金を回すか、新しく有望な株を探します。
集中投資していなければ持株の一部に不測の事態が起きても損失は限定的です。
私の記事が参考になれば幸いです。
今日も読んでいただきありがとうございました!