高配当株ってどうやって探せばいいのかしら
配当利回りランキング上位の株って買っても大丈夫かな
とにかく配当利回りが高ければいいのかなぁ
配当利回りランキング上位の株には注意が必要だよ
高配当株投資を始める際に配当利回りランキングを参考にする人は多いと思います。
しかし、配当利回りランキング上位の株は罠銘柄だらけなので注意する必要があります。
罠銘柄とは一時的に配当利回りが高くなっている株のことをいいます。
しかし配当利回りランキング上位の株すべてが罠銘柄かというとそうではなく、なかにお宝株も含まれています。
私が配当利回りランキング上位の中から株を探す場合は、とにかく罠銘柄だけは掴まないように心がけています。
罠銘柄を回避するには現在の配当利回りだけで選ばないことが重要です。
IRBANKで業績推移を確認して
- 売上・利益・配当が安定していない
- 特別(記念)配当で配当利回りが高くなっている
- 配当性向が高すぎる
これらを確認していずれかの項目に該当していれば投資はやめておきます。
この記事では配当利回りランキング上位の株から罠銘柄を避けて優良銘柄を発掘する方法について解説します。
記事の目次
配当利回りランキングとは配当利回りの高い株の順位

配当利回りランキングは今期の予想配当額か直近の配当金の額を基準にして計算されることが多いです。
ちなみに2022年7月28日現在の予想配当利回りランキング上位20社(ETFやリートは除外)はこちらのとおり
予想配当利回りランキング(2022年7月28日時点)(ETF、リートを除く) | ||||
順位 | コード | 銘柄名 | 予想配当利回り(%) | 予想1株配当(円) |
1 | 9104 | 商船三井 | 13.76 | 500 |
2 | 9101 | 日本郵船 | 10.14 | 1050 |
3 | 9110 | ユナイテッド海運 | 8.54 | 340 |
4 | 9308 | 乾汽船 | 7.34 | 136 |
5 | 7638 | NEW ART | 7.22 | 100 |
6 | 1820 | 西松建設 | 7.16 | 285 |
7 | 1852 | 浅沼組 | 7.15 | 191 |
8 | 5009 | 富士興産 | 7.14 | 81 |
9 | 6651 | 日東工業 | 6.84 | 177 |
10 | 5192 | 三ツ星ベルト | 6.83 | 220 |
11 | 1814 | 大末建設 | 6.44 | 100 |
12 | 7744 | ノーリツ鋼機 | 6.40 | 152 |
12 | 5988 | パイオラックス | 6.40 | 127 |
14 | 2914 | JT | 6.28 | 150 |
15 | 7433 | 伯東 | 6.24 | 160 |
16 | 7239 | タチエス | 6.23 | 74 |
17 | 8075 | 神鋼商事 | 6.21 | 240 |
18 | 6156 | エーワン精密 | 6.19 | 100 |
19 | 7236 | ティラド | 6.17 | 160 |
20 | 8093 | 極東貿易 | 6.12 | 163 |
海運株が上位を占めているわね。配当利回り10%前後ってすごいわ!
海運株は近年のコンテナ輸送需要の急増で爆益をあげているので配当も高くなっているよ
配当利回りランキング上位株が危険な理由

配当利回りランキング上位の株には一時的に配当利回りが高くなっている株(罠銘柄)が多数含まれています。
一時的に配当利回りが高くなっている理由は以下のとおりです。
- 近年の特需によって業績が急改善している
- 特別(記念)配当を出している
- 利益以上の配当を出している
それぞれの理由について解説します。
近年の特需
特需とは特別な需要という意味です。
特別ということは通常とは違うということを示します。
近年の特需で高い配当を出している株は、特需が終わると高い配当を出せなくなる可能性が高いです。
最近でいうと大手海運会社が特需に該当すると考えています。
大手海運会社はコロナ禍の反動によるコンテナ輸送需要の増加によって大きな利益をあげてそれに伴い多額の配当金を支払っています。
こちらのグラフはコンテナ運賃と【9101】日本郵船の株価推移を並べたものです。
コンテナ運賃がコロナ後に大きく上昇し、それと並行する形で海運会社の株価も大きく上昇していることがわかります。

コンテナ運賃がこのまま高値で推移すれば海運会社の株価と配当金は底堅く推移しそうですが、コンテナ輸送需要が落ち着く場合は、コンテナ運賃の下落と共に海運会社の業績低下と減配は避けることができないと考えます。
私は近年のコンテナ輸送需要の増加はコロナ禍の反動による一時的なものと考えているので海運会社の高配当利回りは持続不可と見ています。
特需のイメージとしてはこんな感じでしょうか。
日本史の教科書に出てくる成金おじさんだね
そうそう、さすがにお札に火をつけることはないだろうけど・・
特別(記念)配当
特別(記念)配当は会社の業績が好調であった場合や創立◯周年の記念として通常に支払われる配当金に上乗せされて支払われる配当金のことです。
特別(記念)配当といいうだけに通常時は支払わないという会社の意図を込めた配当金です。
業績の好調が続いた場合には複数年に渡り特別(記念)配当が支払われることがありますが、業績が悪くなればやめやすいという側面があり、株主にとっては少し気がかりな配当金です。
また、創立◯周年の特別(記念)配当は基本的に短年だけで終わり次の年からは通常配当に戻るので注意が必要です。
このように特別(記念)配当によって配当利回りが高くなっている株はいつ特別(記念)配当がなくなってもおかしくないため、通常時の配当金で配当利回りを計算する必要があると考えます。
特別(記念)配当といいながら翌年から通常配当で同じ金額の配当を出す場合もあります。
例としてこちらのグラフを見てみます。

予想配当利回りランキング9位の日東工業の配当と株価の推移です。
進行期の配当予想は177円なのでこれまでと比べて明らかに高額であり特別配当であることがうかがえます。
グラフを見ると、増配の発表を受けて株価は上昇し、過去10年の最高値圏まで上がっていることがわかります。
しかし、今の株価で買うと高値づかみになってしまうおそれがあるので配当利回りにつられて今の株価で買ってしまわないよう注意が必要です。
特別(記念)配当の利回りにまどわされないようにしましょう!
利益以上の配当
配当金の原資は会社が稼いだ利益です。
しかし会社によっては利益以上の配当金を出していることがあります。
利益に占める配当金の割合を示すのが配当性向です。
配当性向が100%を超えていれば利益より多くの配当金を出していることを示します。
利益以上の配当金を出す理由は様々ですが、株主還元を強く意識していることや、企業買収からの防衛のために株価を高く維持しようとしているといったものがあります。
利益以上の配当金は例えると給料以上のプレゼントをするようなものです。
年収400万円だけど500万円のダイヤをあげるよ!
年収超えてるわよ。無理しないで。
企業は業績を伸ばしたり事業を継続していくために設備投資をする必要があり、その費用は利益から支払われます。
利益の全てを配当金に回すと将来に向けた投資ができず事業が縮小してしまうおそれがあるので、配当金は設備投資とのバランスをとった割合で出すことが望ましいです。
私は高くても配当性向80%以下が望ましいと考えています。
配当性向100%超えを持続させることはできないのでいずれ減配せざるをえず、あわせて株価の下落にも見舞われる可能性が高く注意が必要です。
罠銘柄の回避方法

罠銘柄には以下のような特徴があることを解説しました。
- 売上・利益・配当が安定していない
- 特別(記念)配当で配当利回りが高くなっている
- 配当性向が高すぎる
罠銘柄の高い配当利回りは持続しないケースが多く、保有し続けるといずれ減配と値下がりのダブルパンチを喰らう可能性が高いです。
安心して長期保有する株には向かないと考えます。
罠銘柄を回避するには配当利回りだけではなく、業績推移をチェックして安定して配当金を受け取れそうか確認する必要があります。
業績推移はIRBANKがとても見やすくておすすめです
- 売上、利益、配当の推移は安定しているか
- 特別配当を出していないか
- 配当性向は高すぎないか
これらをチェックしてどれかに当てはまれば罠銘柄の可能性があります。
ここでは【9101】日本郵船を例にIRBANKを確認してみたいと思います。


2021年頃から業績が急改善しているよ!
コロナ禍の反動でコンテナ運賃が急上昇したことによる特需だね
これまで低調だった業績がコロナ後に急改善していることがわかります。
明らかにバブルのような雰囲気が漂っています。
短期的にはまだ恩恵があるかもしれませんが長期投資の対象としては不向きと考えます。
配当利回りランキング上位には優良銘柄も埋もれている

罠銘柄だらけのランキング上位株の中にもきらりと光る優良株もあります。
- 売上・利益・配当が安定している
- 特別配当で配当利回りが高くなっていない
- 無理のない範囲で配当金を出している
罠銘柄の真逆であるこれらの条件を満たした株は優良お宝株の可能性があります。
しかし優良お宝株が高配当になっているのは何か懸念材料があり割安になっていることが多いです。
何が理由で割安になっているのかを推測し、その理由がいずれ解決可能なものと判断できれば購入を検討することにしています。
【2914】JTについて見てみます。


売上、営業利益は安定していて配当金は特別配当ではなさそうです。
配当性向も高い水準ですが継続不可能な水準ではありません。
このような株はお宝優良株の可能性があります。
なぜJTは配当利回りが高いのかな?
JTはタバコを製造販売している会社なので、喫煙者が減少している昨今では先行きが暗いとみなされて割安になっているのが原因だよ。
ただ、利益率が非常に高く、成長している海外でも事業をしているので先行きはさほど悪くないと思っているよ。
まとめ

配当利回りランキング上位株には罠銘柄が多く含まれていることを解説しました。
罠銘柄の特徴は以下のとおり
- 近年の特需によって業績が急改善している
- 特別(記念)配当を出している
- 利益以上の配当を出している
このような罠銘柄を持ち続けると減配と値下がりのダブルパンチをくらって大損する可能性が高いです
罠銘柄を回避するには配当利回りだけではなく、業績推移をチェックして安定して配当金を受け取れそうか確認する必要があります。
業績推移はIRBANKがとても見やすくておすすめです。
- 売上、利益、配当の推移は安定しているか
- 特別配当を出していないか
- 配当性向は高すぎないか
これらをチェックしてどれかに当てはまれば罠銘柄の可能性があります。
配当利回りランキング上位には優良銘柄も埋もれています。
- 売上・利益・配当が安定している
- 特別配当で配当利回りが高くなっていない
- 無理のない範囲で配当金を出している
罠銘柄の真逆であるこれらの条件を満たした株は優良お宝株の可能性があります。
しかし優良株が高配当になっているのは何か懸念材料があり割安になっていることが多いです。
何が理由で割安になっているのかを推測し、その理由がいずれ解決可能なものと判断できれば購入してもいいと考えます。
しっかり調査して、可能なかぎり罠銘柄を避け、優良お宝株をゲットしましょう。
私の記事が参考になれば幸いです。
今日も読んでいただきありがとうございました。